企業内社労士で働くという事 -メリットと気に留めておく事は?

社会保険労務士のうち、独立開業をせずに企業に所属している「勤務社労士」は30~40%近くいると言われています。意外と多いですよね。

特に最近は働き方、労働環境に対する注目が高まっておりますので、人事採用部門でCHO(最高人事責任者)を設置する企業も徐々に増えております。
CHOは採用、評価制度などエンゲージメント、オンボーディングなどの人事関連の企画運営を担う責任者ですが、登用の有力候補として社労士資格を保有している従業員に期待が高まっております。企業内社労士として労務のみではなく採用なども攻めの人事にも関与する事で人事部門役員へ目指すなどキャリアアップの道も開けてきました。

またその企業で起こるあらゆる人事労務問題に対して、入口から出口まで一気通貫で関わることも魅力の1つです。外部社労士であれば必要な時のみ相談という部分的な関与で、その先どうなったかが見えない事も少なくありません。そういった観点で労務問題、課題の中心にいて最後まで関われることは遣り甲斐もある事と言えます。

一方でデメリットは、あくまで組織人なので、独立開業している社労士のように売上を上げれば上げた分だけ報酬アップという訳にはいきません。社内賃金規定にしたがって決まるので、他部門の社員と基本的には変わりません。分かりやすく頑張りを評価(報酬として)してほしいという方には向いていないかもしれません。

また必ずしも希望の業務のみではなく、所属企業に依存してしまう点もあります。
企業によっては、人事部門の立場・権限が決して強くない場合や、人事施策の推進に経営層が消極的な場合があります。そうなると、経験したい業務に従事できないという事が発生してしまうでしょう。給与計算、保険手続きなど労務ではなく採用、総務など社労士としての専門性が活かしにくい仕事にも対応する必要があります。組織人として「それは私の仕事ではありませんので」と仕事をシャットアウトするような振る舞いは組織的にも良い影響を与えませんので、時には自分のキャリア、やりたい事よりも所属企業の為に尽くすという姿勢が大事になります。