社労士の繁忙期とは?社労士の繁忙期の実態・原因と繁忙期を乗り切るためのポイント解説

社労士(社会保険労務士)を目指す人にとって気がかりな点は、この仕事の忙しさでしょう。この記事では、社労士の繫忙期について解説します。また、1年のなかでいつ頃どのような忙しさがあるのか、繫忙期の実態と忙しさの理由、乗り切り方もあわせて解説します。

■1年中コンスタントに忙しい社労士の仕事
社労士は人材にまつわる専門資格で、正式名称は「社会保険労務士」と呼びます。社労士は国家資格で、「労働・社会保険に関する諸問題」や「年金相談」などを業務内容とします。社労士には、独立開業や勤務社労士として企業の人事部に務めるなど、色々なキャリアがあります。
共通していることは、業務範囲が広く多岐に渡るため、1年を通じて忙しい傾向があります。

■3回ある社労士の繁忙期
社労士の繁忙期とは、書類作成や申請手続きの締め切りが発生する月です。具体的には年間3回あります。労働保険・社会保険関連手続き、入退社手続き、年末調整の時期が該当します。詳しくは後述しますが、この3回の時期は非常に忙しく、逆にこの時期以外はバランスよく働けます。


■社労士の3大繁忙期と仕事内容
社労士の繁忙期は、年3回あります。具体的には6~7月の労働保険の年度更新や社会保険の算定基礎届の提出時期と、3~4月の入退社手続き時期、そして12~1月の年末調整に関する業務がある時期です。ここでは、年3回の繫忙期の具体的な業務内容について解説します。

◎労働保険・社会保険の2大手続き期「6~7月」
6~7月は、労働保険の年度更新業務があります。労働保険の年度更新とは、前年度の確定労働保険料と、本年度の暫定労働保険料を金融機関に申告します。この業務は6月1日~7月10日までの提出期限が定められています。また、社会保険の算定基礎届の作成と申請業務も、同じ時期に行います。

◎入退社の手続き期「3~4月」
年度が切り替わる3~4月は、入退社が増える時期です。入退社手続きには、雇用契約書の作成・締結といった社内書類の準備と、雇用保険や社会保険の申請業務などに大きく分けられます。また春は人事異動の時期でもあります。人事異動に伴い、すでに働いている人からの相談や問題対応が発生する場合もあります。

◎助成金・年末調整の手続き期「12~1月」
助成金とは、申請すると国や地方自治体から支給されるお金です。助成金にはさまざまな物があり、企業ごとに何を活用するかは異なります。年末調整とは、1年通して支払った概算の源泉徴収額と、確定した源泉徴収を差し引きし、過不足額を解消させる業務です。
年末調整額の計算は税理士が行いますが、連動する給与計算業務の多くは、社労士が請け負います。

【年3回ある繁忙期について、社労士の業務が忙しくなる具体的な理由を解説します。】
■年度更新・算定基礎届は締切が近い
6~7月に来る繫忙期は、労働保険の年度更新や算定基礎届の締め切りの近さが忙しさの原因です。どちらも締め切り期間が6月10日~7月10日と短いため、作業が集中します。この申請は新入社員も含め、加入条件に該当する全従業員分の作成・申請を行うため、作業量が多くなりがちです。
こうした作業と並行して、給与計算などの通常業務も行うため、1年のなかでも特に忙しくなります。

■3~4月に入退社が集中する
春は入退社の時期です。入社した従業員には、新たに労働保険と社会保険の手続きを行うため、業務が増えます。またこの時期は人事異動も多く、従業員からの相談や問題が起きやすくなります。各種手続きが終わる頃には、6~7月の労働保険の年度更新と算定基礎届の作成作業が始まります。春は忙しさが続く時期といえます。

■助成金の申請期限が年明けに集中する
年末から2月にかけては、年末調整の時期と助成金の時期があります。さまざまな助成金がありますが、2月~3月末にかけて締め切りが設定されているケースが多く見られます。年末調整に関係して給与計算が慌ただしくなり、同時期に助成金の申請準備を行うことが、この時期の忙しさの原因です。

【比較的閑散期といえる2月と8月】
年末調整や助成金の申請が落ち着く2月と、労働保険の年度更新・算定基礎届に関する業務が終わる8月頃は、比較的時間に余裕が生まれやすくなります。また、期間は短いものの、助成金の申請や年末調整の給与計算が始まる前の11月も、比較的余裕が生まれやすい時期です。

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